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2019/06/14

やっぱり納得できない2020年問題。

カテゴリー:スタッフブログ 加藤社長ブログ

巷では、人生100年時代になって、「年金額だけでは2000万円不足する」と、大騒ぎですが、この報告書には、日常の生活費しか計算されていません。

衣食住で言えば、衣と食だけを計算し、住を考えていないのでは、と思えます。

65歳から30年、自家所有の家(マンション)に住み、大きな修繕費もなく住む続ける事を前提としています。

その家は、一体何時取得した、どんな建物なのでしょう?

もし、30歳前半で取得した「建売やハウスメーカー製」だとしたら、築30年以上は、建て替えか、大規模なリフォームが必要と思われます。

それは、2000万円どころか、もっと必要になるでしょう。

 

2020年問題とは、

 

現在の建築基準法には、「耐震性能」を確保する規定は有りますが、「気密、断熱性能」を条件にしていません。

基本的に、建築基準法は、なるべく安価に建てれることを目的としているように思います。

「耐震性能」も絶対安全を目標とせず、死者が出ないことを目標としています。

たとえば、建築基準に従えば、「耐震等級1」でも設計基準を満たすのですが、この基準は

「100年に1度の震度6強の地震に対して、倒壊しない(つぶれない)家」であり、その後住み続けることを前提としていません。

「命が助かればいい」が前提です。

また、現行の「耐震等級3」を得た建物(耐震等級1の1.5倍の強さとされている)も、熊本地震で何棟か倒壊した事実があります。

皮肉にも、等級1以下と思われる建物は損壊こそすれ、倒壊を免れた物も多くあったにも関わらず、です。

 

耐震等級は、大まかに壁の面積を多くして耐震性を高めようとしています。

しかし、耐震性は壁面積だけでなく、木軸工法なら通し柱の有無、位置、強度(太さ,材種)

や、壁量バランスによって大きな差が出ます。

1階と2階の壁の位置がずれていても、壁量さえあれば「等級3」になってしまうのです。

倒壊した多くの建物は、これが原因だったようです。

卓上計算の弊害の最たるものですが、建築基準法は改正されていません。

 

今回、お話ししたいことは、それよりも罪が重い問題です。

2018年12月、唐突に国交省から「2020年、施行を予定していた住宅性能義務化を

無期限に延期、設計時に施主説明をするにとどめる」と発表がありました。

一般の人々には全く何のことだか?わからないと思います。

事の起こりは、2015年パリ議定書に日本がサインしたことから始まります。

議定書は、国際社会(先進国、途上国も含む)が力を合わせて地球温暖化を食い止めようとする約束事です。

1997年に京都で開かれた時、日本は「先進国のみに約束させるのは意味がない」として、サインしませんでした。(議長国にもかかわらず)

しかし、2015年パリで開かれたCOP21では、全世界的に義務付けることになり、ようやく日本もサインしたのです。

その約束に「2020年に2030年までに2013年時の26%のCO2削減の道筋を示す」とありました。

そこで、環境省が主導して家庭排出CO2を減らすために、光熱費、特に冷暖房費を抑えるには、住宅の気密断熱性能を高めるための施策が必要として、建築基準法に初めて「義務化」を求めたのです。

慌てたのは、ハウスメーカーです。

彼らは、生産ラインを持っているため、現状の設備を大幅に変更するには多額の設備投資が必要となります。

しかし、市場規模は縮小の一方ですから、お金を掛けたくない企業側の論理があります。

まして、顧客に住宅性能という新しいロジックで「家」を考えられると、今までの既存の家

現在進行中の契約前の家など、様々なハウスメーカーにとって不都合な問題があるのです。

最初は、断熱性能(UA値)を計算する事や、気密性脳(C値)を測定する事は、地場の工務店や個人大工などが出来ないから、淘汰するいい機会、くらいに思っていた節があるのですが、性能競争をすると、一邸一邸造る工務店の方が性能を上げるには有利であることが、

解ってきたのです。

このまま、建築基準法を改定して、性能をあからさまにすることは、ハウスメーカーやパワービルダーにとって、首を絞める結果になります。

そこで、環境省が主導してきたにもかかわらず、いきなり国交省の出番となったのです。

 

結論として、この国の官僚も企業も国民のことは考えていない!ということです。

COP21での約束事も無視し、国民の「温熱環境に優れた家」を手に入れる機会を失わせ

ひたすら「ヒートショックを作る家」を売らせ続ける国と企業。

悲しい実態が見える2020年問題の顛末です。

 

「ヒートショック」は「耐震性能」と並ぶ、あるいはそれ以上の日本の住宅が抱える喫緊の課題です。

厚生労働省が調べた「浴室などヒートショックが原因で死亡した人の数」は、高齢化にも伴って年々増え続け、2015年でも1万7千人を超えています。

これは、交通事故死の実に4倍以上!

また、夏の「室内熱中症」で死亡する例も増えています。

これは、単に「エアコンを付けなかったから」ではなく、冷房費が高くて使えないこともあります。

ヒートショックも熱中症も、単に冷暖房費を掛ければいいのではなく、家全体の断熱性能が向上しないと、このまま増え続ける一方でしょう。

地震は何十年、あるいは100年に一度の備えです。

しかし、冬の寒さと夏の暑さは毎年やってきます。

しかも、その温度差が年々激しくなっている、と感じるのは私だけではないと思います。

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