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2020/02/26

【2】全館空調元年となるか?(中途半端な住宅性能では全館空調に向かない)

カテゴリー:全館空調

国土交通省が2016年度に「次世代省エネ基準」を策定しましたが、この基準は、外皮断熱係数(UA値)を定めたものです。

建物の実測でしか出せない気密性能(C値)は定められていません。

まず、ここに問題が有ります。

いくら暖かいコートを着ても背中に穴が開いていたらどうしようもありません。

C値は1㎡あたりにどれだけの隙間があるか?を示すものです。

ケーズホームでは、C値0.5以下を推奨します。

ちなみに弊社の平均は0.30です。

UA値ですが、国土交通省の次世代省エネ基準の東海地区(6地区A)は0.86以下です。

しかし、その値ではエネルギー損失が多すぎて、光熱費が甚大になるだけでなく

前述のような空気の対流が起き、冬は室温のわりに足元が寒くなり、夏は不快な温度差を生みます。

東海地区でも最適UA値が0.46は下回りたいところです。

ケーズホームでは、平均設計値0.35以下にしています。

「次世代省エネ基準」の次に来る「日本の家庭エネルギー消費50%削減目標2030年」が見えているからです。

2030年に50%削減を達成するには、冷暖房機器の性能向上と住宅性能向上の両面が必要です。

単純に2016年のUA値0.86を半減するには、0.43以下を目指すことになります。

ケーズホームが造った過去の最も高い性能値は0.29がありますので、更に厳しくなっても対応可能です。

 

今私どもが恐れるのは、「全館空調」への誤解です。

十分な性能のない建物を「全館空調」してしまうと、光熱費が高くなるにもかかわらず

少しも快適ではないことになるのです。

これが、SNSや口コミで「全館空調」はダメだ!となるのが怖いのです。

全館空調が悪いのではなく、住宅の性能に問題があるのです。

 

また、一口に「全館空調」と言っても、巷には様々な空調設備方式が出回り、まさに「百花繚乱」全館空調のお花畑です。

 

光冷暖などといった名称と実体にかなり違和感のある、パイプ冷暖房。

床暖房パネルに冷水を流す床式冷暖房。

壁掛けエアコンを床下に組み込み、ファンを使って気流を作る床下エアコン式。

その反対に小屋裏に壁掛けエアコンを設置、同様にファンで各部屋へ送る式。

どの方式も長所と短所が有りそうです。

まず気になるのが、24時間換気については無視していること。

高気密を追求するうえで、シックハウスを避けることが目的で、日本の住宅には24時間換気することが義務付けられました。

2時間で建物の空気が入れ替わるように設計設備することです。

つまり、高気密の家を建てながら別に「穴をあけろ」ということです。

本質は、VOC(揮発性有機化合物)などの化学物質で出来た建材を使用することで人体に悪影響があるにもかかわらず、化学糊を使った合板フロアーや可塑剤を添加したビニールクロスを使うことによる家づくりにあるのですが、素材を規制するのではなく、建物の換気による緩和の方向にしてしまっています。

法律は法律ですので、守らなくてはなりません。

2時間で空気が入れ替わるのを、そのままで冷暖房したら光熱費がかかります。

そこで、熱交換(外気と室内空気の熱を熱伝導の高い容器の中で交換する)します。

これを「第一種換気」と言います。

その他に、単純に穴をあけて導入部分にファンをつけて、室内側へ強制的に送り込むのを「第二種換気」と言います。

この場合は、室内空気は正圧(+)になり、壁内結露を招きやすくなります。

 

その反対に、ファンを外に向けて回し、壁の穴から自然の空気を入れるのが「第三種換気」

と言います。

寒冷地の北欧、北海道などでは熱交換器が凍結する可能性があるため、この方式が主流です。

室内空気は負圧(-)になり、気密性の低い家では隙間風が猛烈に入ってきます。

そのため、二時間で1回の計画換気は実質的に計算不可能になります。

なにより、「2種」も「3種」も熱損失の意味では東海地区に適合しません。

想像してみてください。

真冬に直径10センチ程度の穴から、外気が入り続ける部屋を。

真夏の暑い空気が入り続けるのを。

法律では、就寝中も外出中も24時間動かさなくてはいけないのです。

9割以上の住宅が「2種」「3種」を採用していますが、実際は穴を塞いでいると思います。

 

つまり、「シックハウス症候群」の予備軍を作っていると言えなくもないですね。

ここまで「全館空調」をするための基本的な知識を書いてきましたが、更に断熱の方法を

お伝えしたいと思います。

断熱は建物の基礎から始まります。(次回 基礎断熱とは)

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