Y邸には、除湿器を付けていませんが、もし、夏の湿度コントロールがもう少し(現在は自然素材による自主コントロール)すれば、冷房は掛けなくても済むかもしれません。

但し、湿度の機械式コントロールは、冷房費と変わらないか、それ以上になる事もあります。

暖房は、設定温度によってその負荷が変わりますが、全館空調の特徴として、室温20℃程度で、たいていの方は快適に暮らせます。

Y邸の新築住宅時に設計したUA値は0.4以下、Q値1.0程度、C値0.3です。

実測はすべての数値で上回る事が出来ました。

改良の余地として、玄関ドアの気密断熱性能(Uファクター2.3、四隅に隙間有り)

南面窓開口(ガラス面積)の量と庇の適正化。(窓に掛かって、日光を遮り過ぎる)

など、幾つかの改良点が残るが、性能的にはパッシブハウスの手前にまで来た感じです。

屋根の遮熱断熱はほぼ完璧(自画自賛過ぎ?)壁の断熱性能もこれ以上の必要は無いかも(あくまで、現時点ですが)

アメリカのKELVINATOR社製エアコンシステムとカナダのLIFEBREATH社製熱交を組み合わせ、HEPA仕様の空気清浄機(LIFEBREATH社)をコンプリートした弊社オリジナルの空調システムは2.4tのヒートポンプ方式です。

けして、省エネとは思えない時代遅れ的機械で、国産のダイキンやパナソニックなどに揶揄されそうなものですが、構造がシンプルなため、一度稼働し始めれば壊れ難いのが特徴です。

ダクトはガスや水道管と違い、空気の流れで、圧力も僅かなため、半永久的に持ちます。

OA(新鮮な外の空気)は熱交換機を通して空気清浄機(HEPAフィルター付)へ、さらにエアハンドラー(送風機)に送られ、各部屋やLDKにSA(サプライエアー、管理された空気)として届きます。

それぞれの空間にはEA(回収される空気)の口が有り、気流の流れを造って空間をムラなく温度管理します。

EA(回収された空気)は基本的に汚れていますから、エアーハンドラーに送られる前にフィルターで濾され綺麗な空気となって送り込まれます。

空気清浄機の風量が225㎥/hで常時還流していますが、冷暖房時でエアーハンドラーの作動時には、1750㎥/hの風量が有ります。

1750㎥から225㎥を引いた1625㎥(約7倍)は部屋内の冷暖房された空気となるので、エネルギーロスが非常に少ないのです。

更に言えば、空気清浄機に送られる空気自体(OA)が熱交換換気扇により外部の熱と内部の熱の交換をした空気です。(熱交換率85%)

結露の心配のない顕熱交換を採用していますので、熱交換器内でカビ等が発生することも有りません。(全熱交換は、熱交換素子が湿気も通してしまうので、結露した場合にはカビの発生する危険が有ります)

外気温と室内温度を交換させて、空気清浄機に送り込みます。

また、排気する空気(EA)は臭いが気になるトイレ、湿度の貯まりやすい脱衣室、同じく臭いや湿度、煙などが気になるキッチンの3か所から吸い取った空気を使い、熱交換した後はそのまま外気に排気します。

これが、Y邸における全館空調システムの全貌です。

建物の床面積当たりで換算すると、28円/㎡、93円/坪の冷暖房費になります。

一般的に、200円/坪を下回ると<パッシブハウス>と呼べるそうです。

日本版<パッシブハウス>の完成

今年一月で、一昨年新築した北名古屋のY邸を引き渡して丸1年が過ぎました。

そこで、年間の光熱費を纏めて頂きました。(HEMSを付けたので簡単なデータも)

エコキュートを使ったオール電化の家で、大きさは137.2㎡(41.58坪)です。

空調は全館空調システム(弊社オリジナル)(ビルトインガレージ内に設置)

家族はご夫婦とお子様一人の3人。

専業主婦の奥様は家におられる事が殆どです。

データを拝見すると、冷暖房機器が動いていない時期の4月~6月が23、833円、

10月~11月が14、432円で、5ヶ月合計38、265円となりました。5で割ると7、653円です。(オール電化は安いですね)

暖房が動いている月12月~3月は49、756円になり、4ヶ月で割れば12、439円

で、その差は4、786円です。

何と、5千円以下で建物丸ごと暖房できた事になります。

冷房になると、さらに驚きました。

7月~9月の3ヶ月間合計は31、735円で、3で割れば10、578円です。

ここから7、653円を引いたら2、925円にしかならないのです。

なななんと!3千円を切っています。

今年の冬は暖冬でしたから、少し控えめに考える必要が有るかもしれませんが、昨年の夏はなかなかの暑さでしたよね。

梅雨明けが早く、7月から8月の後半まで、猛暑日が続く記録を作ったはずです。

その7月が7、702円(殆ど冷房しなかった?冷房費換算49円!HEMSで確認済み)8月がピークで13、426円となっていますが、これでも5、773円が冷房費となります。

そして、8月の8日から9月の7日までの31日間が10、607円って、長期間家を留守にしていたのか?と疑いたくなる数字です。(冷房費換算2、954円)

実際は、お仕事が忙しく、お盆休みの数日間のみ留守にしたそうです。

その数値が怪しくない事は、10月のデータで解ります。

9月8日~10月7日の30日間で6、585円しか掛かっていないのです。

月平均からすると、マイナスです。

つまり、9月の8日以降に冷房は殆ど掛けていないことを意味しています。

屋根は、本来葺きかえれば理想ですが、築25年で増改築ではない断熱リフォームだけでこの形状の葺き替えは経済的ではありません。

 

そこで、錆びをカバーしながら断熱効果が期待できる<ガイナ>を塗ることにしました。

 

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夏の暑さを抑えるには、屋根の断熱が欠かせません。

 

樋の全面取り換えと合わせ、破風を木製から無機質の不燃材にし、ガイナを塗り込む。

 

2階部分はEPS100㎜の断熱材に防水モルタルを塗り、漆喰で仕上げる事に。

 

そして、1階RC擬似石部分はEPS100㎜+防水モルタルの上にアクリル樹脂カラーモルタルを左官仕上げとしました。

 

擬似石の重厚な風合いから雰囲気こそ変われ、ある程度の重さが必要と思い、左官仕上げが適当と判断しました。

 

お決めになった色は、最初は少し明るすぎないか?との疑問も持たれましたが、時間が過ぎ
納得頂きました。

 

25年経って再生された家がこちらです。

 

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昨年の猛夏を過ぎ、冬を迎えられてその快適さを実感されています。

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まず、一階のコンクリート部分の断熱状況を見ました。

 

雨漏りして、解体しなければいけない出窓があったので、そこを破ってみると、50㎜の吹き付けウレタンは厚みがバラバラで中には下地のコンクリートが透けて見えていました。

 

断熱材は均一に厚みが無いと意味が有りません。(実質30ミリ前後?)

 

サッシの多くに使われていたルーバーは、ガラスで出来たブラインドのようなもので、ぴったり締め切っても隙間が出来て、気密性が有りません。

 

窓全体から隙間風が入って来る状態です。

 

倉庫やガレージに向いている、と言うか、それ以外に使い道が無い製品です。

 

壁内のグラスウールを替える事は、予算的にも現実的にも不可能です。(内装全壊が必要)

 

そこで、建物の外壁全体を断熱材で覆う<外断熱リフォーム>が相応しい、と判断しました。

 

コンクリートの外側ですから、十分な厚みを計算してEPS特号100㎜としました。

 

サッシ部分は、一階部分が打ち込みサッシなので、交換ではなく内側に追加する方法にしました。

 

充分なスペースを取ったペアガラスLow-eを重ねることで、実質的なトリプルガラスを現場で造った訳です。

「とにかく夏の暑さは地獄です。冬の寒さは厚着すればいいけど」と奥様の言葉。

 

打ち合わせは一昨年の12月、寒くて室内でダウンジャケットを着ながらでした。

 

お母様もコートを羽織っての同席「加藤さん、どうしてこんなに寒いの、何とかして」

 

コンクリートの壁は容赦なく体温を奪い、灯油ストーブが暖める間もなく冷やされて行きます。

 

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私は暑いのも苦手ですが、寒いのはもっと苦手、足元が寒くてじっとしていられません。

 

エアコンの暖房では、莫大な電気代が掛かりそうです。

 

当時の設計士には、断熱をあまり重要視せず、「鉄筋コンクリートは意外に結構暖かいぜ」などと本気で言っている人も。

 

もちろん、この家にも断熱材は使われていましたが、<吹き付けウレタンの50㎜>としてあるだけです。

 

木造の2階部分は屋根、壁ともグラスウールの100㎜です。

 

当時としては、やや多めですが、金属屋根からすると、高密度グラスウールの200㎜以上なければ、効果は有りません。

 

屋根も壁も高密度ではなく普通(16kg)のグラスウールでした。

そして4年、快適になったご自宅と息子さんの家との違いに心を痛められ、今回のご依頼となったのです。

 

まず私の疑問は「なぜ建てた建設会社に依頼しないのか?」と言う点です。

 

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すると、新築時からいろいろ有り、その都度手直しをして貰ったが、付け焼刃で完治せず
雨漏り、漏電、亀裂が止まらない、しまいには「洪水が有って図面を紛失した、当時の監督も退社し、どうしようもない」と言われたそうな。

 

その図面が偶然にも私の手元に残っていた。

 

仕事は弊社に来なかったが、確か当時、若奥様から「意見だけでも聞かせてほしい」と図面を預かった記憶が蘇る。

 

建物はRC(鉄筋コンクリート)の壁工法と木造軸組の混構造。

 

RC部分に張られた擬似石のあちこちに亀裂が入って、そこから明らかな漏水が見られる。

 

一見、フランクロイド:ライト風の壁工法で出入りの激しい面がつづく複雑な形。

 

屋根は金属瓦。(ガルバリュームのはずが何故か錆びている)

 

軒裏に雨水が伝わって、シミがあちこちに見られる。(樋形状に問題有り)

 

サッシは2階がアルミで、1階がスチールの打ち込みサッシ。

 

当時流行りのルーバーガラスが縦に細長くなってやたらと使ってある。

家全体の耐震性を上げる為にモイス(無機質構造用面材)を張って大壁工法に替え、気密性能と断熱性能の両面からサッシをアルミから樹脂製のトリプルガラスサッシへ交換する事に。

 

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その上からEPSパネル(水性発泡スチレン)の30ミリを全面に張り樹脂モルタル(耐アルカリメッシュ入り)を塗って防水、仕上げにアクリル性カラーモルタルでの左官鏝仕上げをお薦めし、いずれも快諾して頂きました。

 

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これにより、気密性が飛躍的に高まり、測定不能だった気密性は1.0(C値)を切る程度にまで上がりました。

 

壁の断熱性能も土壁の熱還流率が0.71程度なのに対し、EPS特号は0.034なので
土壁の外側で大きく断熱、元々軒先深い(2尺5寸)造りの為、遮熱は問題無い。

 

冬の外気温0℃に対し、15度以上は保てる環境が出来、夏の外気温も壁からは殆ど伝わらないと考えられる。

 

最も熱を受けやすい屋根はEPS特号の90㎜+遮熱シート(rフォイル)を敷き込みました。

お母様のお返事は「地震にも安心だし、断熱にもなるなら、いずれしなくてはいけない訳なら、この際にしようか」でした。

 

この答に気を良くした私は「折角なら外壁の板張りを無くして、耐震性を高め、外断熱にしませんか?」と畳みかけました。

 

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45年前のアルミサッシと、土壁だけの断熱性能では、打ち合わせ中も寒くて仕方なかったのです。(打ち合わせは1月~2月頃でした)

 

お母様は寒さに慣れたように厚着をし、石油ストーブを焚いていましたが、窓は結露していました。

 

アルミの勝手口ドアからは、隙間風が入っていました。

 

築45年なら当然といえば当然ですが、キッチンは15年前に改装され、合板フロアーに張り替えられて、厚手のスリッパを履かないと足裏から冷たく感じます。

 

そこで、犬走り(基礎の回りに打つコンクリートの事)の上からでも有効なのを私の自宅で確かめた<基礎断熱>を提案。

それから20年経って、なんとそのお母様の家をリフォームする事になったのが、5年前の事です。

 

当初のご依頼は、お姉様(ご長女)からでした。

 

実家のお母様と同居するにあたり、「30年近く以前にリフォームした我が家が、全くと言って良い程傷んでなく、今でも快適に暮らせているので、今回も是非」との事。

 

80歳を超えられ、以前の事はすっかり忘れてみえるようでしたが、お会いして話すと以外にも意気投合、私の意見を素直に受け入れてくれました。

 

4人のお子様を育てたその家は、60坪を超える平屋の入母屋造りという豪勢な構えですが、その屋根の重量は瓦だけで8トンを超え、下に葺かれている土を入れると20トン近くにもなります。

 

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瓦の壽命は50年~70年ですから、まだ慌てることはありませんが、その重さは問題です。

 

土を降ろし、代わりに断熱材を敷く事を提案しました。

 

亡くなられたご主人が建てた家、「触らないで」と言われる事も屡々。

25年前、私のところへあるご夫婦が相談に来られ、「某ハウスメーカーで決めているがプランが今一だし、キッチンだけはお宅でしたい」というご要望。

 

もう少しお聞きすると、ご主人のお姉様と妹さんが弊社でキッチンリフォームをしたのがとても良い感じだったので、「キッチンは是非こちらで」、と決めていたそうです。

 

当時、キッチンがメインの弊社でしたが、新築住宅への興味も実績もあったので、「いっその事、プランごと弊社でしましょうか?」とお話したところ、「是非」とのこと。

 

早速、設計士をご紹介、気に入って頂きました。

 

ところが、当時同居されていたご主人のお母様から「キッチン屋さんに家なんか出来ない、ちゃんとした会社を紹介するからそちらでしなさい」とあっさり断られてしまいました。

 

そんな経緯が有って、原設計はほぼそのままに、三河の建設会社が請け負いました。

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