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2017/06/26

「全館空調にすると、光熱費が下がる」って本当?! その2

カテゴリー:先代社長のブログ

「全館空調にすると、光熱費が下がる」って本当?!その1 はこちら

25年前に私が訪ねた、ロサンゼルスの東南約300キロ

パームスプリングスは正にそのような環境のリゾート地でした。

 

コロラド川から引き込んだ大きな湖を中心に、200以上のゴルフコースが有り、

そのすべてに住宅が隣接しています。

つまり、ゴルフコース付き分譲住宅を販売しているのです。

 

高齢者がリタイアして、年金生活で余生を楽しむ人気スポットとなっています。

家の大きさは4LDK~5LDK(50~60坪程度)ですから、日本の少し大き目な家と同じでしょうか。

肝心なのは、「リタイアした人たちの家」であることです。

 

つまり、光熱費を湯水のごとくは使えない筈です。

私が「光熱費はどれくらい掛かるのか?」と問いかけると、

「気にしたことが無いが、月に100ドル程度かな?」という返事。

当時の電気料金は、日本の半分程度だったと思うので、日本で言うと2万円位か。

もし、日本でこのような過酷な環境に家を建て、25℃に保とうとしたら、おそらく光熱費は月10万円くらい掛かりそうです。

 

 

なぜ、こんなに安く済むのか?

その答えは、家の性能と空調機の原理に有りました。

まず、何よりも必要なのは、家の断熱性能と気密性能です。

25年前で、窓は樹脂サッシのアルゴンガス入りペアガラス(勿論LOW-E)。

壁厚にぎっしりと高性能断熱材が充填され、外壁は20㎜を超えるモルタルが塗られていました。

(当時は断熱性能を気にしなかったので、数値は解りません)

そして、気密性ですが、測定した訳ではありませんが、おそらくC値は1以下だったのではないでしょうか。

当たり前ですが、外気を室内に入れない事で、冷暖房効果は高まります。

そして、此処が肝心ですが、「断熱性能が高い家は、

一旦設定温度になると、冷暖房エネルギーを消費しにくい」のです。

どういうことか?というと。

隙間風が無く断熱性能が高いと、外からの熱の影響が少ないので、

部屋の温度が建物の内壁の温度と同じになり、床、天井も室温と同じになります。

空気と違い、床材や壁材などは、大きな質量を持っているので、一旦25℃になったら、

簡単には下がらない(上がらない)のです。

エアコンが最も電気代が掛かるのは、つけ始めですが、

高温になっている空気をいくら冷やしてもなかなか涼しくならないのはその為です。

また、エアコンを切ると直ぐに部屋が暑くなるのも、壁や床、天井が熱いからです。

暖房も同じことが言えます。

いくら暖めても、断熱性能が低い家は、直ぐに寒くなる、至極当たり前の現象なのです。

空調の設定温度を一定に保つことで、建物の内側がその温度になった時点で、

サーモスタットが働き、エアコンのコンプレッサーが停止する事を意味し、

それ以後は、間欠的に空調機が動くので、冷暖房費が掛からないのです。

建物の温度が室温と等しくなると、冬の設定温度は、21℃前後もあれば、

殆ど方が快適に暮らせ、夏の設定温度も27℃前後で快適に暮らせます。

隙間風(C値)と熱伝導(UA値)を下げることで、光熱費が劇的に下がるのは、このためです。

結論として、条件を満たす事で、「全館空調は光熱費を下げる」のです。

弊社が造った家で同じ40坪で、2013年新築の家(UA値0.6)は、

ガスと電気合わせて年間18万円でしたが、2年前に建てたUA値0.34の家では、

オール電化ですが、年間光熱費が10万円ほど。

どちらの家もC値は0.4以下でした。

これを見てもお解りの様に、全館空調は、決して贅沢な設備でもなければ、

無駄でもないのですが、断熱性能やC値の低い家に設置すると、とんでもないことになります。

私が危惧するのは、間違った口コミが全館空調を普及させる妨げになる事です。

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