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2020/03/28

構造体の断熱(充填断熱と外張り断熱)

カテゴリー:断熱性能 基礎断熱

基礎断熱につながる構造体の断熱方法を改めて紹介します。
先ずは壁の断熱。
壁の断熱として、木造住宅では広く普及している「充填断熱」と構造体を外から覆う「外張り断熱」、更にその両方を施す工法が有ります。
壁の中に入れる充填断熱には、現在様々な材料が有り、百花繚乱状態です。
その中で最も多く使われているのが、「グラスウール」。
主原料はその名の通り「ガラス」を繊維状にして、綿のような形状です。
現在の日本の新築住宅における採用シェアは実に90%以上です。
グラスウールの歴史は、自動車によく似ています。
20世紀の初頭にドイツで製法が確立され、1930年代にアメリカが大量生産を可能にしました。
アメリカでは、東海岸から西を目指して開拓が進み、更にカナダ国境方面への開拓をするには、住宅の高断熱化が必要でした。(シカゴやデトロイトは冬季-10度以下にもなる)
ドイツでは、石綿の代わりとしてグラスウールが作られましたが、当時の石綿の最重要使途は、不燃材としての活用が主でした。
つまり断熱性よりは燃えない材料として、主に高温になる窯などの周囲を覆ったり、暖炉の周りを覆うような使い方でしょうか。
アメリカでは、その保温性を重視した使い方になっていきました。
熱を逃がさない特性を生かした保温ダクトや建物の壁に充填した家づくりです。
今でもトレーラーハウスの断熱材の中身はほぼこの「グラスウール」が使われています。
しかし、開拓を更に西へ進めると、「グラスウール」のある欠点が分かってきました。
それは、「夏の暑さに弱い」ということです。
シカゴやデトロイトのような寒冷地では夏の暑さは問題になりませんが、砂漠地帯のロサンゼルスやサンディエゴ、ラスベガスのような場所は、直射日光が強く、「グラスウール」だけではとても快適に過ごせなくなったのです。
何が問題なのか?
空気を温めて熱が伝わるのであれば、「熱伝導率」の数値データを使えますが、太陽光が直接当たるような輻射熱であれば、熱伝導でなく放射熱を受けることになります。
例えば、真冬に気温は0度以下でも太陽光が直接当たるガラスの容器の中は、とても温まりやすいのと同じです。
自動車の中がポカポカになるのも同じ原理です。
日が陰った瞬間に冷え込むのも同様な原理です。
グラスウールは、ガラス繊維そのものに断熱性があるのではなく、綿状になって空気を含むことで、断熱性を持つため、空気を透過するような遠赤外線には抵抗できません。
これは、グラスウールに限らず、遠赤外線の透過性がある断熱材全てに言えます。
例えば、発砲系のEPS(水性発砲スチレン)、アクアフォーム、スタイロフォームなどはその仲間です。
これらは、冬場の断熱材としては性能数値(熱伝導率)の期待が持てますが、夏の直射日光には、非常に弱いと言えます。
特に屋根の断熱材には向かないと言えます。
では、どのような断熱材が冬も夏も効果に期待できるか?
遠赤外線を通さない(通しにくい)断熱材は、木質繊維系です。
木は、遠赤外線をその内側に取り込み、徐々に温まり、ゆっくりと放出します。
真夏の炎天下でもビルの陰や金属壁の陰に比べ、木陰が涼しく感じるのではないでしょうか?
もちろん、生木であれば樹幹や枝葉に水分を大量に含む為、クーリング効果が有るのですが、伐採された後でも、乾燥した木材の含水率(木の中に含まれる水分量=体積比)でさえ、20%を前後して吸放出しています。
その為、金属やコンクリートに比べて涼しくなるのです。
EPS(発砲スチレン)や発砲プラスティック(アクアフォーム等)フェノールフタレイン断熱材などは、熱伝導率としての数値は木質断熱材に比べ優れた性能になりますが、遠赤外線を通す為、夏の暑さには数値通りの性能が出ません。
熱伝導率とは、あくまで空気の熱を伝える時の指標です。
輻射熱(放射熱)と空気伝導の違いです。
これは、全館空調システムを考える上でも重要なので、覚えておいてください。
外張り断熱をする上でもう一つ忘れてはいけない条件が有ります。
断熱材そのものが透湿するかどうか?です。
ドイツの建物はほぼすべての建物(ビルも含め)が外張り断熱です。
寒冷地の多いドイツでは古くから断熱と結露の問題に悩んできました。
省エネで進んでいるヨーロッパでも特にCO2 削減に熱心なドイツでは、冬の暖房をいかに省エネで過ごすか、が大きな国家戦略でした。
その為、断熱性能を高めることを国策としたのです。
そこで問題になったのが、壁内結露です。
べーパーバリアー(防湿層)を設けてみても、どうしても克服できない為、透湿する断熱材を探す(創る)ことになりました。
そうして生まれたのが「木質繊維断熱材」です。
木質繊維は、木材を建築材に加工する過程で生じる大鋸屑(オガクズ)を繊維状に加工し圧縮したものです。
木材の比重が0.45前後に対して0.05~0.18程度にすることで、熱損失0.04w/mkを実現しています。
比重が0.18と他の断熱材に比べて大きい為、放射熱に対しても大きな抵抗を持っています。
放射熱は寒冷地であるドイツにはあまり大きな問題ではありませんが、蓄熱として大きな暖房機を使用した場合は、冷めにくいので内部に出来た暖気を逃がしません。
また、今後の地球温暖化による冷房効果には一役買うことになります。
結露対策として透湿断熱材を求めた結果、木質繊維断熱材に行き着いたのです。
そして、この材料は自然素材であり、産業廃棄物の可能性がある「オガクズ」から生まれ、尚且つ、「木材」という人が太古の昔から共生してきた「循環型社会」を構築しやすい材料であることに大きな意味が有ります。
ここに、ある実験を添付し、熱伝導率表を添えておきます。
是非、参考にしてください。

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