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先程、トーヨーゴム工業社の<免振装置>に性能偽装が発覚しました。

これは勿論、<内部告発>から表面化したものですが、さもなければ、

余人に判りうる話ではないでしょう。

 

建設業界では、過去にも幾度となく偽装事件が頻発してきましたが、

中には余り公になっていない事案もあります。

 

私が知っている案件では、

平成20年頃に問題になったのが<アルミサッシの防火認定性能不足>。

平成15年頃の<ケイ酸カルシュウム(ケイカル板)の軒天防火認定性能不足>。

 

何れも、過去数十年にわたり性能不足のまま、建築許可を下して来た事を考えると、

社会的問題であるはずが、マスコミにも取り上げられず、社会問題に鋭いはずの大衆週刊誌すら殆ど、報道していません。

 

<アルミサッシの防火認定性能不足>は、業界関係者以外は全く知られていないことを好いことに、

完成引き渡し後の建物(おそらく数百万棟以上)は置き去りの状態です。

 

これは、隣家の火災に対して窓から炎が侵入し易いことを意味し、延焼の被害がより大きくなる(人命にも関わる)事を意味します。

 

軒天の性能不足も同じようですが、これは屋根へ延焼する可能性を示唆するので、

部屋の中へ直接炎が入るアルミサッシの場合よりは、人命への影響は少ないかも知れません。

 

延焼と言えば、自宅から出た火を隣へ燃え広げる可能性も高くなるわけですから、火災保険会社にとって本来、許し難い事態でしょう。

それでも、住宅が火災に遭う確率は1%未満ですから大問題化しないのでしょうか?

 

 

そして、私が最も問題だと思っているのは、性能不足や認定偽装ではないのですが、外壁の漏水に結び付く<窯業系サイディング>です。

平成20年から義務化された「住宅瑕疵担保保険制度」の事故案件で圧倒的なのが、壁面からの<漏水>です。(届出案件の90%以上)

 

そして、漏水が表面化しているのは、ほんの僅かで、実態は遥かに深刻だ、と思われます。

 

国土交通省も、何とか漏水を食い止めようと、防水施工指導に躍起ですが、根本的な問題を解決せずに、

泥縄式に管理を厳しくするのが実態です。

 

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弊社はこの機会に、過去3年(平成23年以降)に遡り、

お客様のデータ(実測データ)を第3者機関に送り、

逐次更新するシステムに加わることとしました。

 

北は北海道から南は九州まで全国の住宅の冷暖房費を実測、

データ化してインターネットで配信、住宅の規模、断熱材の種類、厚み、空調システムなどが閲覧出来、

設計上のQ値やUA値と実際の光熱費を<HEMS>を利用して実測、データ化します。

 

Q値は、<熱損失係数を床面積で割ったもの>で、

「平成11年版次世代省エネ基準」の東海地区(Ⅳ)は2.7以下であれば、省エネと呼ぶ事が出来ました。

(ちなみに設計時弊社目標値1.3以下)

 

「平成25年版次世代省エネ基準」からこの地方(6地区)はUA値(外皮平均熱還流率)が

0.87以下となり(Q値換算すると概ね2.0に相当、弊社設計目標値0.4以下)、

nA値(冷房期平均日射取得率)は3.0を下回るよう決めています。

 

遮熱と言う概念をようやく取り入れることにしたのです。

そして、これらの数値を平成32年から義務化することになりました。

それでも、ドイツの基準から比較すると、大幅に遅れていると言わざるを得ませんが…。

ドイツの「パッシブハウス」スイスの「ミネルギーハウス」は大よそこの倍の性能を要求しています。(ほぼ弊社基準)

 

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これは、<家を建てる人>にとっては、<最低限の性能を保証される>事になりますが、

一方で、建築費の高騰に繋がる事にもなります。

何故なら、現在の(2015年)日本の新築住宅のほぼ90%以上がその基準に達していないため、

サッシ、断熱材、換気装置の設置など、数多くの部材をグレードアップする必要があるからです。

 

これからの<新築>ですらこの状態ですから、既存の建物、現在新築中の建物の殆どは、

<新省エネ基準>に則していません。

 

つまり、2020年、<新省エネ基準>が義務化された瞬間から、それまでの住宅は、

<旧基準の家>として評価されるのです。

私たちのような、いち早く世界基準の省エネ住宅を目指して来たビルダーにとっては、

誠に喜ばしいことではあります。

具体的に数値が示される事により、本当の性能が掴み易くなるからです。

 

「冬暖かく、夏涼しい家」などと、抽象的な表現で広告宣伝してきたハウスメーカーや工務店は、

今後、具体的数値を揚げて<証明>しなくてはならなくなるのです。

 

「低〇費住宅」は本当に<低燃費>なのか?

「暖か〇イム」は本当に<暖かい>のか?

「サー〇の家」は本当に<一年中春みたい>なのか?

 

<全館空調をしても良い家>と<してはいけない家>があるって、本当か?

これらを、数値を示して検討することになるのです。

但し、その数値は、建材メーカーの自主計測数値であり、住宅の完成時を予測する設計上の数値です。

 

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自動車はかつて、馬力やトルク、加速時間などの性能表示が当たり前でしたが、

今最も気になるのが<燃費>です。

ガソリンの消費は、単にエコノミーだけでなくエコロジーにも関わる大きな問題になって来たからです。

 

ヨーロッパでは、かなり前(1990年頃)から住宅も<燃費>を重視するようになり

特に、脱原発のドイツ、環境先進国のスイス、スウェーデンなどが中心となって、

パッシブハウス(自然エネルギー利用型省エネ住宅)

ミネルギーハウス(ミニエネルギーハウスの略称)

などが生まれ、2014年にはユーロ圏全体に広がる法整備がされました。

 

これにより、住宅の窓のトリプルガラス化、外皮(壁、屋根)の高断熱化が進み、

断熱係数や、結露、熱抵抗などの研究が図られ、様々な数値で性能を表わすことが可能になったのです。

 

例えば、北海道から沖縄までを年間平均気温などで、6地区8区分して断熱性能や遮熱性能を設計することになっていますが、

ほとんどのお施主(家を建てるご本人)がこの事を知りません。(省エネ基準、国土交通省が推奨する省エネ住宅の指標)

ハウスメーカーや工務店が一邸一邸の数値(Q値、又はUA値)を提示して来ませんでしたが、これからは重要な指標となるでしょう。

 

2013年(平成25年)に更新された<次世代省エネ基準>が2020年から<義務化>されます。

今までは、単なる<目標数値>だったのが、<必要数値>となり、それを満たさない<家>は、建築出来ないのです。

 

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そこにかつてからの切り札となるだろう水素エネルギーが実用化されたわけです。

燃料電池は以前から家庭用にも出来ていました。

ガス会社が出していた<エコウィル>や<エネファーム>がそれに当たります。

しかし、その発電量には日本電気連合会が死守する電源法が立ちはだかり、各家庭の発電量を1kwまでとしています。

ですから、太陽光発電も売電と言う仕組みで、一旦電力会社が買い取るのです。

 

エコウィルもエネファームも5kw以上発電能力を上げることは簡単です。

そうなれば、ほとんどの家庭で自家発電による電力量で賄える訳ですから、送電線は不要になります。

送電線が不要になれば、電柱も要らなくなり、道路整備や通行にも危険を除くことが出来るのです。

私たちの国日本は、これだけの工業製品を生産していながら、消費電力の40%が工場やオフィス、残り60%が一般家庭の消費だそうです。

 

エネファームやエコウィルは<ガス>が主成分ですが、水素そのものをガス管で送るなり、
ボンベで供給して、燃料電池を動かせば正に、電線、電柱の要らない社会が来ます。

非常時でも、自動車や、燃料電池そのものに、数日分の電気エネルギーを蓄積しておくことが出来て安心です。

電力会社は不要になりますが、水素供給会社に変身すれば良いでしょう。

勿論、激しい競争になり、価格は適正に保たれるでしょうが。

日本の輸入の40%は石油や天然ガスなどの天然資源ですが、それももう必要無くなるのです。

 

 

今、懸念していることが有ります。

国土の至る処、耕作放棄地に限らず、山の斜面(陽がよくあたる南斜面)に一斉に取り付けられたソーラーパネルです。

「自然エネルギーで地球環境を守る」としながら、これを利益確定させて事業化してしまったがために、自然破壊が起きているのです。

正に「本末転倒」とはこのことです。

 

農業自給国でもなく、むしろ40%しか自給出来ない国が耕作放棄地だからと言って、今後20年は農地に出来ない(出来ても暫くは何も育たない)土地にしてしまい、無節操な住宅開発で起きた山津波を知りながら、一番保水力が有る南斜面の広葉樹帯を伐採してソーラーパネルを施設しています。

確かに、20年間買い取り保証が有り、7、8年で元金が回収出来るとあれば、役に立たない山が突然、「宝の山」に変身するのだから私でも考える。

しかし、保水力を失った山は、直接、間接に関わらず、必ず大きな災害をもたらすでしょう。

 

何より問題なのは、ソーラー発電は発電量の低さとコストで、割に合わない。

もし、仮に日本の電力全てをソーラー発電で」賄ったら、一体いくらの電気料金になるのか。

現在支払っている電気代のおよそ5倍から6倍になる。

一般家庭の1kw当たりの料金は7円から始まって25円程度ですが、現在の買取り制度価格は34円、そこに電力会社の経費、利益を乗せれば70円以上になるでしょう。

 

現在のソーラー発電量は全体の0.1%も有りませんが、それでも数百円程度、電気料金に加算されています。1%で数千円、10%なら数万円になる計算です。

早くソーラー信仰を止めて、水素社会を構築してほしいものです。

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昨年末、トヨタ自動車から「燃料電池自動車」<ミライ>が発売されました。

小学生の時、理科の実験で<水の電気分解>(水の中に電気を通すと水素と酸素に分かれる)

をした記憶がありましたが、その逆に水素と酸素を結合させることで、電気を発生させる事が出来る訳ですね。

 

出来た<水>を再び電気分解すれば、酸素と水素に分かれるのですから、永久に枯渇しない、
自然に優しいエネルギーを手に入れた事になります。

 

気になるのは、自動車の量産化では確かにトヨタが世界初の快挙を成し遂げたのですが、水素社会の予見と構築では、ドイツの方が先に進んでいる事です。

ドイツでは、車は勿論、ガソリンスタンドの一角にも水素スタンドが設置されています。

更に、人工的に造られた水素を<天然ガス>に混ぜて、一般の家庭や店舗などの火力エネルギーとして使われ始めているのです。

 

ドイツは我が国と同様に化石燃料輸入国です。

にも拘らず、原子力発電を封印し、自然エネルギーにシフトしました。

ガスも現在はロシアや中東国からの輸入に頼っているのですが、自然エネルギーでムラが有る電気エネルギーを利用して水素を発生させ、ガス管に混ぜて火力を増しているのです。

 

水素は地球上に無限大に存在し、酸素との交換で電気エネルギーを造り続けることが出来ます。

 

 

かつて、原子核融合が人類に無限のエネルギーを約束する、とばかりに原子力を未来の科学としてきました。

しかし、現実はあまりに大きなエネルギーのために、制御が難しくて一度コントロールを失うと、制御不能に陥る事が判っています。

 

福島の事故を揚げるまでもなく、廃棄核物質の最終処分さえままならない物を造ってはいけません。

水素燃料社会(自動車のみでなく電気エネルギーを水素で賄う)は、化石燃料だけでなく、
原子力も必要無くなることを意味しています。

 

 

私たちの生活には、もはや電気エネルギーは欠かすことが出来ません。

他方で電気エネルギーを造るために巨大な発電所を造り続けて来ました。

しかし、そのために自然は破壊され、地球環境は悪化してきたのです。

 

 

 

つづく

 

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リフォームをするとよく出くわすのが、水回りに巣食うシロアリです。

浴室、洗面所、台所など漏水や湿気が多く溜まる場所に巣が出来ています。

 

その他には、壁内結露が有りますが、その原因は断熱不足、不良が考えられます。

特に多いのが、サッシ回りの結露による湿気が柱、土台に常態化して、シロアリを呼んでいるケースです。

 

かつては、基礎が布基礎や束石であったため、土の部分が現しになっていて、そこに湿気が上がる事により、シロアリが発生したものですが、現在のようなベタ基礎にする事により、地下からの侵入は無くなりました。

 

ですが、シロアリのような生物は思わぬ処から侵入するものです。

換気扇やエアコンの冷媒管取り入れ口、ドアや窓の隙間でも可能性はあります。

では、どうすればいいのでしょう?

 

シロアリ駆除の薬剤を撒けば良いのでしょうか?

シロアリに強い材料を選べば良いのでしょうか?

シロアリ駆除剤と言っても人体に悪影響が有るようでは使いたくありません。

 

現在、最も安全で効果的とされる駆除剤が「ホウ酸ナトリウム」です。

これは、人体では代謝可能な(排出される)物質である「ホウ酸」がシロアリやゴキブリなどの腎臓機能を持たない原始生物が代謝出来ないことを利用したものです。

効き目はほぼ永久的で、温度変化も有りませんから安心ですが、欠点は水溶性が有る事です。

 

もっとも、水溶性があるから刷毛塗りや噴霧が可能なのですが。

つまり、雨に当たる場所や、水に濡れたりすると、表面から流れ出てしまうのです。

結露や漏水によって、ホウ酸の効果が無くなってしまう畏れも有るわけです。

 

そう考えると、最も効果的なシロアリ対策は、湿気を溜めない家にすることです。

湿度75%以上になると<カビ>が発生し易くなり、結露が始まります。

木材の含水率があまり高くなると腐朽菌が発生し易くなるのです。

いずれも、湿度の高い状態が永く続くことによって引き起こされます。

シロアリは湿度が低くても、直ぐに死滅する訳ではありませんが、乾いたところに居続けることは出来ません。

結果的に、水分補給が難しい状態にすることが、シロアリを防ぐことになるのです。

 

 

だからと言って、過乾燥にするのではなく、湿度70%以下に保つ(快適湿度は45%~65%)事が、ウイルスやカビからも人体だけでなく<家>そのものも守る事になるのです。

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材料におけるシックハウスの問題と、温度差によるヒートショックについてお話しました。

そのほかのリスクは何でしょう。

 

日本では、毎年のように自然災害を受けています。

地震、津波、豪雨、山津波、台風、大雪、噴火と自然災害のオンパレードです。

 

その中で「避ける事の出来るリスクと避けられないリスク」が有ります。

 

住まわれる地域によって噴火や津波は避ける事が出来ます。

豪雨や山津波も地形を吟味すれば、避けられます。

 

日本の国土は、ご存じのように大陸のプレートの端に乗っていて、地震は避けられません。

その上、環太平洋火山地帯に属し噴火や火山性地震もやむを得ません。

国土の67%が山岳地帯で、残された平地の多くは海岸地帯の津波影響下にある土地です。

どんな場所なら被害に遭いにくいのでしょうか?

また、先祖から受け継いだ土地をどう考えたら良いのでしょうか?

 

幸か不幸か、日本の人口は減少傾向にあり(むしろ激減)暫くは土地の奪い合いが無くなるかも知れません。

津波の心配もなく、高台の平地だったとしたら大丈夫でしょうか?

 

その場合でも、切土と盛り土が有り、軟弱地盤の可能性も有り、一概には安心できません。

地盤の強弱によっては、震度5強が6弱以上になってしまう事もあります。

また、液状化現象を起こす可能性が有る場所も考慮しなければなりません。

ただ、地盤に関しては液状化も含め、改良することによって問題は解決できます。

むしろ問題なのは、阪神淡路大震災の死者の内90%以上が建物の下敷きの<圧死>だった事です。

 

木造家屋は勿論、鉄筋コンクリートのマンションですら倒壊や座屈が有りました。

直下型だった性も有ったかも知れませんが、マンションやビルの1,2階が潰れていました。

木造家屋では、昭和50年以前の建物が特に激しく倒壊し、その多くは柱や梁にシロアリの痕跡が見られたそうです。

 

つまり、シロアリに侵された建物に地震が襲った事により、より被害が甚大化したのです。

シロアリから木造住宅を守るにはどうするべきか?

 

 

つづく

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4、ホールエアコンのよる暖房

 

 <ホールエアコン>とは聞きなれない言葉ですね。

それもそのはず、私が勝手に命名した暖房方式です。

命名は勝手にしましたが、方式自体は30年も前から北米を中心に開発された方式です。

家全体に冷暖房が行き渡るように、各部屋や廊下などに空気の吹き出し口と回収する口を設け、空気全体をぐるぐる回転させる方式です。

 

こうすると、むらなく家全体に温度が一定になるので、建物自体が暖められた事になります。

そのため、家の中で温度差が無いので、ヒートショック現象は無くなります。

また、壁も空気と同じ温度になるので、体感的に輻射熱と同じように、低い温度で寒さを感じなくなります。

 

例えば、室温が10度で壁掛けエアコンを作動させる時、あなたは何度の設定にしますか?

おそらく、25℃以上にされるのではないでしょうか。

ところが、実際は20℃もあれば快適に暮らせます。

ホールエアコンであれば、確実に20℃の設定で稼働させるでしょう。

 

その違いは何故か?

室温15℃の部屋では、いくら空気が20℃になっても壁から奪われる(10℃)熱量が体感温度を下げてしまうからです。

建物の温度が20℃有れば、体から奪われる熱量が殆ど感じないので、寒くならないのです。

つまり、ホールエアコン方式の方が確実に低い温度で快適な暮らしが出来るのです。

 

しかし、この方式はイニシャルコストも掛れば、ランニングコストもかかるのでは?との疑問が出ます。

確かに、家中にダクトを張り巡らす必要や、大きなファンとコンプレッサーを使いますから壁掛けエアコンの何台分もの費用が必要ですが、各部屋にエアコンを付ければファンとコンプレッサー代と変わらない金額になります。

ダクト費用は壁掛けエアコンには無い費用ですが、機械ではないので、一旦設置してしまえば、半永久的に使用できます。

ランニングコストは、建物の性能と比例します。

 

建物全体を冷暖房する訳ですから、外気温に左右され難くなればなるほど、一旦暖められた空気が下がりにくくなり、コンプレッサー(この部分が稼働するときエネルギーを多く消費)が働く時間が少なくなり、僅かな電力(火力)で温度を維持出来るのです。

また、空気を一元管理することで、除加湿のみでなく、清浄作用もしやすくなるのです。

 

良いことずくめのようですが、日本で普及しない(北米の新築住宅では100%)のには、
一つにはイニシャルコストが有りますが、他に建物性能が低くてランニングコストが掛かり過ぎる事と、最も大きな障害は、建築業者側に知識が無く、(設計士も)ダクトスペース、施工技術が確立出来ていないので、ハウスメーカーやビルダーも積極的に薦めないのです。

 

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5、その他

 薪ストーブや暖炉は、暖房と言った範疇に入れていいのか迷ってしまいますが、暖めるという意味では立派な暖房器具です。

特に最近では薪ストーブの人気は大変なもので、弊社のお客様でも何軒かおられます。

輻射熱と直接の火の熱の両方が有るため、直ぐに暖も取れ、消えてからもしばらくは暖められた本体や周辺の熱で暖かさを感じることが出来ます。

 

 しかし、輻射暖房だけでは過乾燥が起きますから、水蒸気を発生させるヤカンや鍋が必要です。

自然に優しいような雰囲気が、人気を呼んでいるようですが、薪の使用量からすると、ランニングコストはかなりなものになりそうです。

 

木が成長期に蓄えたCo2を排出するだけで、出されたCo2は新たに植えられた木が吸収することになっています。

だから0エミッション(出す物と吸収する物が同じ量)だと、薪ストーブ愛好家は言います。

確かに、化石燃料はどんなにリサイクルをしても、何億年と眠っていたエネルギーを一瞬にして消費するものをリサイクル出来ません。

 

ならば、薪はどうでしょう。確かにリアルタイムの現代に生きている植物と熱量の交換ですが、数十年かけて成長した木(薪)を一瞬にして燃やすストーブが<エコ>とは言い難いのではないでしょうか?

伐採と植林の比率がイーブンであれば、0エミッションと言えるかも知れませんが、日本中の家に薪ストーブが有って、冬場に燃やすだけの木材が年間に成長しません。

インテリアとしても素晴らしい<薪ストーブ>は一部の方の趣味の世界でしかないですね。

 

色々な暖房方式を紹介してきましたが、みなさんはどの暖房を選ばれるでしょうか?

ちなみに、米国では、全館空調が100%と書きましたが、全館空調して暖炉を付けるのがステータスのようです。

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今年の冬は、気象庁の予想とかけ離れ(暖冬)11月から寒波が襲い、12月に入って、尚一層の寒さを感じます。

こうなると、暖房器具は欠かせません。

さすがに無暖房住宅ではすごせないのが実情です。

そこで、暖房について考えてみます。

 

1、壁掛けエアコンによる暖房

これは、部屋の空気をラジエーターによって温めるのですが、乾燥を促進するため
加湿器が必要となってきます。

何故なら、人体にとって快適で肌などが乾燥しない湿度は40%~60%程度であり、
面白いことに、細菌やウイルスは40%以下の乾燥下か、60%以上の多湿の状態を好み
相反する環境を好むからです。

つまり、風邪やインフルエンザを予防するには、ただ暖かくするだけでなく、湿度を一定(40%~60%)に保つことが重要なのです。

そうすると、壁掛けエアコンのような過乾燥を招く暖房器具は問題です。

最近では、「加湿も出来るエアコン」なども出てきましたが、適正湿度を保つほど加湿出来るかは疑問の残るところです。

また、加湿、除湿時の消費電力も気になります。(D社では平均1kwを超えます)

方式として、部分空調のスタイルを取っていますから、家全体を温めたる全館空調には適してないのと、加湿も部分になってしまう。

 

2、灯油ストーブ

 日本で最も普及しているのがこれです。

 本体価格が比較的リーズナブルで、場所を選ばずにどこへでも持っていけます。

石油の臭いと火災の不安が気になりますが、点ければすぐに暖を取れるのも嬉しいところ。

 しかし、これで暖めると結露が始まります。

何故か!それは、灯油を燃焼させる時に大量の水蒸気を発生させるからです。

ある意味、加湿器要らずですが、調節が出来ませんから、燃やせば燃やすほど水蒸気は増え続け、やがて窓ガラスや壁内の飽和点に到達すると、結露を招くのです。

この現象は、同じ化石燃料を燃やす<ガスファンヒーター>にも言えることです。

もう一つの問題点は、部屋の空気を燃やしてしまうことです。

つまり、酸素を2酸化炭素に替えてしまうのです。

これは、結露どころの問題ではありませんから、2,3時間ごとに部屋の空気を入れ替えなくてはなりません。

それでは、せっかく暖めたのを捨てる事になります。

加湿が出来るのは、良い事ですが結露や空気の劣化を招いては本末転倒と言えます。

 

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3、輻射熱暖房

聞きなれない言葉ですが、<デロンギ>と言ったらご存じでしょうか?

金属やコンクリート、石などの中に熱媒体を入れ、本体を温める事によって遠赤外線を出させ、人の体に温熱効果を与えるものです。

遠赤外線は、高い温度でなくても発生するので、媒体温度は25℃から55℃の低温火傷を引き起こさない物が殆どです。

例えば<デロンギ>は内臓されたオイルをヒーターで暖めパネルの表面温度は40度程度になっていますが、金属のカバーを通して遠赤が出ますので、ほんのり暖かいのです。

床暖房もこれに似た方式ですが、床材を通して暖めるため、大きな熱エネルギーが必要になり、熱媒体温度も55℃前後の高温です。

これらに共通して言えることは、空気を汚さずに比較的安全だが、熱エネルギー消費は大きいので、ランニングコストが高くなるのです。

しかし、北欧やロシアのような極寒地では、地域インフラとしてまるで水道のように蒸気を各家庭にパイプによって届けています。

北米でもニューヨークやボストンなどの都会にはそうしたインフラがあります。

映画のシーンで地下のマンホールから水蒸気が噴き出すのを見た方も居るのではないでしょうか。

しかし、集合住宅や大規模団地などは導入しやすいのですが、管理やメンテナスなど水蒸気のような高温で高気圧の媒体を扱うのは、省エネ時代に相応しくないでしょう。

(温泉地のような地域には持って来いの暖房方式なんだけど、日本でやってるとこ無いな)

つまり、一戸建て住宅でこの方式を採用すると、全館空調するには、イニシャルコスト、ランニングコストのいずれも大きな負担となるのです。

 

 

つづく

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