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2019/07/26
大気にはPM2.5、海にはマイクロプラスティック!
カテゴリー:環境
20世紀から今日にかけて、人類はその前の100年と比べると恐ろしく生活が変わりました。
ほんの100年前には大気汚染といっても、ロンドンのスモッグが有名なくらいで、世界の空はどこもまだ蒼かった。
イギリスは、世界に先駆けて産業革命を起こし、その代償として首都ロンドンはスモッグにまみれたのです。
その時、その意味が表すことに気が付いた人は殆ど居なかったのでしょうか?
石炭から石油へ化石燃料の主役が変わり、目に見えた大気汚染は無くなっていきましたが、
事態はかえって深刻になっています。
大量な化石燃料の消費は、CO2の排出による大気の温暖化現象、石油製品から生み出されるプラスチィックとその廃棄物。
数億年をかけた化石から生み出されたプラスティックは、還元することなく分解だけを繰り返し、やがて目にも見えない「マイクロプラスティック」となって海に浮遊、堆積し始めます。
気が付いたらプラスティックは、人類が現代文明を暮らすのに不可欠と言っていいくらいの地位を占めています。
今ここでパソコンを叩いていますが、プラスティック抜きではどうなるのでしょうか?
想像も出来ません。
隣国の日本叩きにも似て、日本製品のボイコットを本気でするなら彼らが手にしているものほぼ全てが、手から消えることになります。
私たちの身の回りから「プラスティック」をどうしたら無くせるのでしょうか?
海に棲むほぼ全ての魚の体内から「マイクロプラスティック」が見つかったそうです。
サンマやイワシは、腸がないので食べたエサは、胃で消化されたらすぐ排出されるそうです。
それでも残るということは、食元連鎖の上位にいるマグロや大型の回遊魚、ほ乳類は紛れもなく大量の「マイクロプラスティック」をため込んでいる事になります。
「あん肝」なんてとんでもないことになりそうです。
3月に沖縄の慶良間諸島に行ってきました。
海は「慶良間ブルー」と言われるくらい美しい海です。
時は3月下旬、東海地区は花粉症被害の真っただ中、沖縄へ行けば花粉症から逃れられる、と勇んで行ったのですが、着いてみると一向に鼻水が止まりません。
気温は20度を超えていましたから、半袖でも平気なほど。
「おかしいな」と思って現地の人に聞いてみると、「花粉は無いけどPM2.5は、日本で一番多いですよ」と言われました。
なるほど、日本で一番中国に近い場所だったっけ。
空を見上げると、どこまでも蒼く美しいのだけれど、その大気の中にPM2.5が漂っているんだ。
海にもマイクロプラスティック。
クジラを見に行くツアーだったのですが、確かに親子のザトウクジラと独身のクジラにも無事合えて、大変盛り上がったには盛り上がりましたが、この海にも大量のマイクロプラスティックが浮遊しているのか、と思うと複雑でした。
どちらも、人類が居なければあり得ない(自然界に存在しない)物質です。
無くすのも私たち人類しか出来ない仕事です。
建築に携わる者として、建材から極力プラスティックや化石燃料由来の製品を使わない家づくりを更に進めなくては、と思いを新たにしました。