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2019/09/27

温暖化対策として建築会社のできる事

カテゴリー:断熱性能

2020年から義務化される予定だった住宅の断熱性能化は、世間の全く知らない間に

有耶無耶になりました。

2014年に日本がパリ議定書にサインをした以上、避けて通ってはいけないはずの「住宅の高断熱化」は、何年も前から準備させておいて、突然の撤回です。

先日の国連総会において小泉進次郎新環境大臣が発言した「セクシー」の方にマスコミ報道が偏り、肝心な具体策は示すことが出来ませんでした。

日本のCO2排出量は、中国の8分の1(対GDP比3分の1)アメリカの5分の1(対GDP比1.2分の1)です。(JCCA参照)

対GDP比でもかなり健闘している日本ですが、構成比をみると産業用に35%、運送輸送用に18%、営業用に17% 住居生活に16%が使われています。

パリ協定では、日本の自主目標を2030年に2013年比26%削減(1990年の18%削減)を目標に掲げました。

 

中国の排出量は全世界の3割近くですが、人口割合にすると70億人の20%が中国人。

アメリカは排出量が15%で、人口比率は5%以下ですから一人当たりの排出量はダントツに多いことになります。

しかし、対GDP比でみてみると、意外に日本と差がないことに驚きます。

日本の排出量は3%ですが、アメリカは日本の4倍以上のGDPを稼ぎ、人口は2.5倍居るのです。

つまり、一人当たりの排出量は確かにアメリカの2分の1ですが、生活水準は1.6倍(GDP換算)なので、単純比較は難しいのです。

パプアニューギニアの密林に生活する人のCO2量と、東京に住む人の排出量を比較できないのと同じ事です。

 

私たちが考えなくてはいけないことは、どの程度の生活水準を基にしてCO2排出量を抑えていくか?ではないでしょうか。

アメリカの自動車の保有台数、排気量、一人当たりのガソリン消費量、住宅の床面積、どれをとっても日本の倍ではすみません。

それでも、対GDPを換算すると、一人当たりは日本の1.2倍程度です。

日本人の生活水準にしたらむしろ今の日本より省エネになるのです。

一体どこにエネルギーが使われているのでしょう?

 

日本の産業界は、世界一省エネ。

日本の総排出量に対する生産業が排出する量は34%です。

GDPを比較した世界中の国でもかなり低く、先進国では最も低いのです。

環境先進国として名高いドイツでさえ、日本とほぼ同水準であるばかりか、メルケル首相が宣言した「脱原発」は、ドイツ国内での話で、隣のフランスから原子力エネルギーを買っている。

なにより、ドイツ最大の電力会社は火力発電が主力であり、中でも悪名高く日本では廃止された「褐炭」による発電も続けられている。

それゆえ、末端の消費者である家庭での省エネに積極的なのです。

冬の暖房時期が長く、消費電力が大きいためです。

 

日本はどうでしょう?

私が住む知多半島は、昔から温暖で住みやすいとされてきました。

しかし近年の環境は、夏の暑さが尋常ではなく、6月から9月まで冷房期になり、だからと言って冬はやはり寒く、11月半ばから4月の中旬まで暖房期になります。

温度で言うと6月には30℃超えの日が現れ(今年は5月中旬)11月には一桁の温度になり、1月、2月は毎朝0℃~3℃の日が続きます。

適温が25℃とすると、夏は15℃近く高くなり、冬は25℃近く低くなるのです。

一年12か月の内9か月以上を冷暖房の力を借りる必要がある時代です。

暑さを我慢すれば「熱中症」に、寒さを我慢すれば「ヒートショック」に襲われ、命の危険にさらされるのです。

ここにあるデータが有ります。

日本の大学と欧米の大学の調査データです。

要約すると、25℃の温熱環境を軸とした温度変化による寿命とのかかわりです。

25℃から±3℃を境に一℃変化するごとに寿命が1年短くなる、というデータです。

つまり、28℃以上22℃以下の温熱環境下で暮らすと、短命になるのです。

夏、室内温度が30℃、冬の室内温度が19℃だと5年平均寿命が下がるのです。

言われてみると、日本の長寿として有名な徳之島は、まさにそのような気候ではないですか。

沖縄の人も女性は長寿です。(男性の短命は全く別の理由ですが)

 

住宅のCO2排出量を減らすには、<我慢>ではなくてそれこそ<セクシー>でなくてはいけません。

ならば、最高の断熱をすることが必要なのです。

次回は、「最高の断熱とは」

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